自分の強みや魅力、価値を知り、それを他者に伝えていく「セルフ・ブランディング」は、起業や就職活動の場面で特に重要な技法です。本ページでは、それをサポートする「カラータイプ理論」の役割について解説していきます。
カラータイプ理論は、色彩心理を基に、独自の観点や研究を重ねカラーコンサルタント河野万里子が2009年に開発した
性格タイプ分け理論。13の色で個人の資質を表すことができ、さらに色の点数により決断タイプ、創造タイプ、協調タイプ、
堅実タイプの4つのタイプに分類することができる。
強みやこだわり、またそれぞれのコミュニケーション法からチームワークの組織開発にまで活用できる理論である。
「自分らしい色」を知ることで、自分らしさを活かした
セルフ・ブランディングが可能となる。
外見力をアップさせる色を知ることが大きな自信となる。
好きな色は「なりたい自分」の願望を叶える色である。
これらの3つのアプローチで自分らしさを活かした
セルフ・ブランディングが可能となる。
ジョハリの窓 は、自己開示と他者からのフィードバックを通じて、コミュニケーションを改善するために提案された
心理学的モデルである。1955年にジョセフ・ルフトとハリ・インガムによって発表された。
本モデルは「4つの窓」で構成されている。
自己開示を通じて広げることができる。
フィードバックを通じて知ることができる。
意識的に隠している情報。
自己探索を通じて新たに発見される可能性がある。
ジョハリの窓 は「開放の窓」 を広げ、自己理解を深めることができる。自己開示を進めることで、他者との関係が
改善され、フィードバックを通じて盲点を減らしていくことが目的である。
カラータイプ診断から導き出された「自分の色」をジョハリの窓の各領域に当てはめた。
視覚的にセルフブランディングの準備ができる。
開放の窓:自分が知っていて他人も知っている自分
「あなたは○○ですね」「いつも○○ですね」
カラータイプを用いた例:
よく言われて、自分でも自覚している性格や行動の色
盲点の窓:自分が知らなくて他人は知っている自分
「あなたはよく○○しますね」「○○のクセがありますね」
カラータイプを用いた例:
他人から言われる性格や行動の色
秘密の窓:自分が知っていて他人は知らない自分
「私って本当は○○なんだけど」
カラータイプを用いた例:
自分だけが知っている性格や行動の色
未知の窓:自分が知らなくて他人も知らない自分
「意外に○○な面がありますね」「こんな可能性も感じます」
カラータイプを用いた例:
自分の可能性を広げてくれる色
パーソナルカラーとは、生まれ持った肌・髪・目の色と調和した色の
グループを見つけていく手法及びその分析結果のことである。
色のグループを四季になぞらえ「春・夏・秋・冬」の4タイプがある。
パーソナルカラー理論はアメリカのデザイナーであったロバート・ドア(1905〜1979)とスイスの芸術家ヨハネス・イッテン(1888〜1967)の理論の2点がルーツとなっている。
パーソナルカラーから導き出された「似合う色」を「盲点の窓」に置くことによって、
他人に好印象を与える「似合う色」を知ることができる。
また同時に「秘密の窓」で取り入れたいパーソナルカラーも確認することで、
「未知の窓」を開くことができ、色を使った目的やTPOにあった自己演出が可能になる。
カラータイプ(内面)とパーソナルカラー(外見)と好きな色(未来)の3要素を統合することで、
矛盾のないセルフ・ブランディングが完成する。
特に「好きな色」はなりたい自分や、進むべき方向性などを示す
セルフ・ブランディングにとってとても重要な色である。
セルフ・ブランディングとパーソナル・ブランディングの関係性
― カラータイプ理論からの考察 ―
https://kwansei-ac.jp/iba/journals/review/BandA_review_vol23_p41-59.pdf
「斜めの法則」とは、自分の長所と対極にあるカラータイプマップの色を取り入れることである。
自分には足りないと自覚している「斜め」の色を起業時に「頼った色」として選んでいる場合に、起業が上手くいっている
且つ幸せ度が高いことが明らかになった。この「斜めのタイプの色」は、最も自分自身に効果的かつ自分の弱みを
補完してくれる色であると考えられる。
カラータイプ理論の特徴は、自分自身にはない色の力を借りてパワーや行動力をさらに発揮することができる点にある。
「自分らしさ」と「起業後の業績」についての満足度を、
満足度が最も高い「決断タイプ1」、満足度が最も低い「決断タイプ8」として順位づけた。その結果、満足度が高い
決断タイプの人は協調タイプの色(水色、グレー、ピンク)に頼っていた。
「自分らしさ」と「起業後の業績」についての満足度を、
満足度が最も高い「創造タイプ1」、満足度が最も低い「創造タイプ8」として順位づけた。その結果、満足度が高い
創造タイプの人は堅実タイプの色(茶色、青、緑)を頼っていたと同時に、自分のタイプである創造タイプの色(ターコイズ)にも頼っていた。
「自分らしさ」と「起業後の業績」についての満足度を、
満足度が最も高い「協調タイプ1」、満足度が最も低い「協調タイプ8」として順位づけた。その結果、満足度が高い
協調タイプの人は決断タイプの色(赤、オレンジ)に頼っていた。
「自分らしさ」と「起業後の業績」についての満足度を、
満足度が最も高い「堅実タイプ1」、満足度が最も低い「堅実タイプ8」として順位づけた。その結果、満足度が高い
堅実タイプの人は創造タイプの色(ターコイズ)に頼っていた。
セルフ・ブランディングとパーソナル・ブランディングの関係性
― 『女性起業家』のためのカラータイプ理論からの考察 ―
https://www.j-mac.or.jp/oral/dtl.php?os_id=211
Ikigai図のペン図とカラータイプマップには驚くほどの共通点があった。
「生きがい」にたどり着く方法をカラータイプ別に導きだすことが出来れば、ウエルビーイング研究にも繋げることが
できると考えた。
Ikigai図とは、4つの円を重ね合わせることで「人生における意味・やりがい」を可視化したフレームワークである。
各円は「LOVE」「GOOD AT 」「NEEDS」「PAID FOR」の
キーワードと、その全てが重なる箇所を「Ikigai」としている。
Ikigaiの”LOVE”を上にした図とカラータイプマップの「創造タイプ」を上に持ってきた図を照らし合わせて見ると両者の間には驚くほどの共通点があった。
カラータイプマップも同じく4つのタイプで構成されている。LOVEは楽しさを追求する創造タイプに、GOOD AT は
得意なことの決断タイプに合致する。また、NEEDSは社会貢献の協調タイプに、そしてPAID FORはお金になることの
堅実タイプに当てはめてみると違和感なくその位置に収まる。
セルフ・ブランディングとパーソナル・ブランディングの関係性
― 『女性起業家』のためのカラータイプ理論からの考察 ―
https://www.j-mac.or.jp/oral/dtl.php?os_id=211