企業の成長を導くのは、戦略や仕組みそのものよりも、それを動かす“人”。すなわち経営者の意思決定にあります。
特に危機的な環境の中であっても、挑戦を恐れず行動する経営者もいれば、慎重に機をうかがう経営者もいます。
この違いは経験や知識だけでなく、個々の性格・思考パターンに深く関わっています。
本研究では、色彩心理をもとにしたカラータイプ理論を活用し、5名の経営者の「気質」と「行動傾向」を分析しました。
カラータイプ理論は、色彩心理をベースに、カラーコンサルタントの
河野万里子が2009年に開発した性格タイプ分類の理論です。
13色で個人の資質を可視化できる点が特徴で、色のスコアに応じて
「決断タイプ」「創造タイプ」「協調タイプ」「堅実タイプ」の4つに分類されます。
それぞれの強みやこだわり、さらにタイプごとの
コミュニケーションスタイルを理解することで、
チームワークの向上や組織開発にも幅広く活用されています。
変化の激しい時代において、企業の成長を左右するのは「経営者の意思決定力」です。
その背景には、戦略よりもむしろ人としての特性が影響しています。
本研究では、経営者の行動や判断の傾向をカラータイプ理論によって分析し、成功の共通点を探りました。
本研究は、経営革新や地域活性化に取り組む5名の経営者・戦略実行者の方々にご協力いただきました。
それぞれの企業がどのように変化を乗り越え、独自の戦略を生み出してきたのかを、
カラータイプ理論をもとに整理しています。
カラータイプ理論を用いた分析の結果、
革新的な経営戦略を構築する経営者には、「決断タイプ」と「創造タイプ」の要素を併せ持つ傾向が見られました。
直感的に発想しながらも、行動をためらわず実行に移す。
このバランスが、変化の時代を生き抜く意思決定の特徴といえます。
5名の経営者のカラータイプ分析では、
オレンジの合計点数が14点、
グレーは合計3点と極めて低い結果となりました。
この明確な対照が、
革新的な経営者の行動特性を象徴していると考えられます。
オレンジは「仲間意識」「社交性」「巻き込み力」を
象徴します。
グレーは「用心深さ」「控えめ」「デリケート」を
示す色です。
特に前章の特徴が出ていた経営者の例として、「決断×創造タイプ」でグレーが0点だったケースを紹介します。
このように、「決断×創造タイプ」の経営者は、「動きながら考える」柔軟なリーダーシップで組織を導き、
新しい価値を生み出すことが原動力になります。
詳細なデータや分析結果については、該当の研究論文をご参照ください。