何色から選ぶ?商品カラー2023/10/16

今回は、商品カラー監修の現場についてお伝えしますね。

商品カラー監修の場で、
「色を選ぶ」という時に依頼者が今どの段階の色選びの話をしているのかを
把握して、それに対して的確に説明をする必要があります。

依頼者が色彩検定などの色の資格を持っていない場合
(依頼されるのはほとんどこの方たちです)


まず色の精度第一段階

これはカラータイプマップにある13色ぐらいで色選びをする段階です。

創造っぽいイメージにしたければ、
「黄色の楽しくてマイペースな感じで行きますか?」

ここで色の方向性を決めます。

その時のパレットの数は13色。

黒、赤、オレンジ、紫、ターコイズ、黄色、グレー、水色、ピンク、
茶色、青、緑、白

この数であれば「このイメージで行きたい!」とすぐに指が差せます。


そして次の色の精度第二段階

「黄色にすると決めたけど、どの黄色?」

この時にはパーソナルカラーの4タイプぐらいで分ける精度になって行きます。

例えば

夏タイプ・・・上品でさわやかなパステルイエロー
冬タイプ・・・知的でキレのあるレモンイエロー
春タイプ・・・鮮やかで元気なカナリーイエロー
秋タイプ・・・大人っぽくハードなゴールデンイエロー

黄色は黄色でも随分と個性が出て、
ここでやっと具体的な色選びが出来る段階となります。

色数で言うと、13色×4タイプ=52色 になりますね。


そして次の色の精度第三段階は、色彩検定で学ぶ新配色カード199レベル。

第二段階の52色から199色になるのですから4倍の精度になります。

先程の黄色も下記の11種類に分離されます。

鮮やかなイエロー
濃いイエロー
暗いイエロー
淡いイエロー
澄んだイエロー
明るいイエロー
やわらかなイエロー
鈍いイエロー
渋いイエロー
地味なイエロー
重厚なイエロー

この段階になると色を見分けるのに徹底した目の訓練が必要で、これがないと
色彩検定の1級2次は合格できません(教科者丸暗記だけでは絶対に無理です)。


そして色の精度第四段階

これはパントンやDICの色見本帳から具体的な色番号で色を選んでいく段階です。

商品カラーの場合、必ず最終はこの段階になります。

この時の色数は、

コート紙、上質紙、マットコート紙など紙質への展開などがあり
それぞれ1000色以上が用意されます(パントンの場合)。

こうなると第3段階の199色から5倍以上且つ紙質別に色選択があることに
なります。


商品カラー監修の現場では、

第一段階 13色の中からどうする?
第二段階 パーソナルカラー別ならどうする?52段階
第三段階     (ここはスキップ)
第四段階 1000色以上の中から、ピッタリの色を選ぶ

となります。

13分の1から色選びをしていたのが、
結果、1000分の1からの色選びになるのです。


色選びが終わったあとに、依頼者から

「この6色の違いが分かりません。全部同じ色に見えます」

という連絡が来ることがあり、
そこでカラーコンサルタントは下記のような丁寧な説明が必要になります。

6色の違いを下記のように伝えます。

〇1番 ピンク系ベージュ
〇2番 オレンジ系ベージュ
〇3番 ピンク系ベージュ
〇4番 ベージュ
〇5番 ライトグレー
〇6番 ミディアムグレー

ピンク系ベージュの2色は、明るい⇒暗いの順が
〇1番 ⇒ 〇3番です。


色選びの正しいプロセスはもちろん、
依頼者が今どこの段階で色選びに疑問を持っているのかを把握することが、
カラーコンサルタントに求められる重要な役割になります。

正解のない色選びだからこそ、
そのステップは論理的且つ説得力のある説明が求められます。

そこで依頼者が、やっと「納得」となるのです。