『哲学と退任式出席と「他者志向」の生き方』2022/03/28

先週は「生き方」を考えさせられる2つの会に出席しました。

学生が主催する哲学の会と、
大変お世話になった関西学院大学の佐藤善信先生のご退任式&最終講義です。
この全く関係ないように思える2つの会でしたが、結果として「人はどう生きるのか?」
という内容が共通していたのが驚きです。

哲学と退任式出席と「To Be」の生き方。
哲学の会は、神戸の大学で心理学を専攻している学生が主催したもの。
場所は神戸北野坂の異人館の邸宅の中で開催されました。
何となくタイミングも合って参加してみたのです。

その会に参加する条件が、
「愛とは何か」「幸せとは何か」
を考えてくることでした。

このシンプルな質問の答えを出すのに苦しみます。
3時間の哲学の会では様々な背景を持つ人たちとのディスカッションで、
このテーマからすごく深い気づきと次への行動が導かれたのです。

そして、その数日後に佐藤先生の関学での最終講義に参加。
『最終講義 わがマーケティング思想の遍歴』と題された講義内容は、
佐藤先生の華々しいご経歴と実績紹介を挟みながらも、

・依頼される組織(個人)の条件とは何か?
・人はどう生きるべきか?
のテーマを一貫してお話されていました。

依頼される人は、
知覚された信頼性があり、それは
=「知覚された専門性」+「知覚された人となり」
の方程式があり、
「知覚された人となり」とは、
ウソをつかない、誠実である、やり抜く力があるなどの人間性で、
それは「知覚された専門性」よりも大切だ、というお話でした。

また最後には、エーリッヒ・フロムの『生きるということ』の本の
To HaveからTo Beへ
―財産、知識、健康、社会的地位、権力…
“持つ”ことがすべてでいいのか?
あらゆる執着から解き放たれ、何にも束縛されず、変化を恐れない“ある”生き方とは?

そして
“他者志向”の成功するGIVERとは?
という内容で、佐藤先生の最終講義は締めくくられました。

ビジネススクールの卒業生でもない私たちを、
『論文』というアカデミックな場に引き上げてくださった佐藤先生は
正にその“他者志向”の精神でご指導くださいました。
今更ながらですが、そこには感謝しありません。
そして奇しくも、私も哲学の会に参加するにあたりエーリッヒ・フロムの
『愛するということ』の本を読み返していたところでした。

またこのタイミングで投げられた「生きることの意味」。
これはきっと神様が「今しっかりとそのことに向き合うように。」と宿題をくださっている気がします。